波形のエチュード

文章練習用。思い出や諸々の所感。

ソロ初心者、秋の山キャンプ

11月某日夕方、ソロキャンプの目的地である山に到着した。

 

車から降り、受付をするため管理事務所へと向かうその時点で山には風が吹き荒れていた。……これが山!!20分前、平地のローソンに寄ったときは無風だったのに。

2020年の夏にキャンプを始めたばかり、この日が4回目のキャンプ、キャンプの知識の9割はYouTubeのド素人にこの強風、不安しかない。ちなみに以前の3回中2回はド雨だった。どさめ。

 

管理事務所での手続きを済ませてサイトに着いたのは16:30。風は強いが日没は近い。取り急ぎテントだけは張らなくては。

私のテントは吊り下げ式。「急いでフレームにインナーテントを吊り下げ、中に重いものを詰めれば風に持っていかれないだろう」と子どもでも思いつきそうなことを考え、先のAmazonプライムデーで購入した折りたたみのクッソ重い折りたたみコットを放り込んでみる。

想定外の大きさのコットはリストラ候補筆頭だったが重りとしては優秀に違いない! と思っていたのに秒で風に煽られるテント。己にできることは飛ばされないよう必死にテントをひっつかみ「風よ止め!!(そして誰か助けてー!)」と祈ることのみ。

風は止まなかったが祈りの()内が通じたのか、見かねた隣のご家族に助けていただきなんとかテントを設営した。そして設営が終わる頃には止んでいた風。私は山の突風をふんわり学んだ。

 

時刻は18時過ぎ。夕食の準備もだが、世話になったご家族になにか差し入れを……と思い食材をゴソゴソ出す。

特売の肉とレトルトのスープ、食パン1斤(切れてない)、干し芋、ローソンで買ったサラダ。このメンツなら我が軍から出せるのは食パン選手か干し芋選手である。干し芋選手のほうがすぐ食べられるし、ここで食べずともかさばらないという理由で干し芋選手を贈り、食パン選手は焼いた肉とまるかじりした。

 

キャンプの醍醐味は焚き火という宗派に属している私は、前回、前々回はド雨で楽しめなかった焚き火をおもっくそ堪能した。薪を燃やしながら温かいコーヒーを飲み、スマホで映画を見る。至福だ。全体的に家でできることをあえて外でやることが幸せなのだ。

映画鑑賞中、大泉洋がフラれたところで天を仰いだら、空には満点の星が輝いていた。この日、己の肉眼においては史上一番多くの星を見た。環境庁からのお墨付きだの何だのも特にない近場の山でこれほどまでに星が綺麗に見られるのか。ああ、これが見られただけでも来てよかった。あまりの美しさにテントに引っ込んだあとも首から上だけ外に出して星空をおかわりした。

 

就寝時の寒さ対策として前述のコット(地面からの冷気対策としてやはりリストラはできないな)にAmazonで買った胡散臭い冬用のマミー型シュラフ+春夏用の封筒型シュラフを二枚重ね。更に中型の湯たんぽを2個設置。

厚着をして寝袋に入るがここで手首が寒いという事態に。次回は焚き火用のきったねー手袋以外に寝るとき用のきれいな手袋を準備しようと固く心に誓いながら入眠。

途中、何度か覚醒するが体温が上昇していて寒さは感じなかった。ただ坐骨神経雑魚ゆえ腰がだけが痛い。

 

6時20分に起床するつもりでアラームを設定していたが、朝6時に爆音でチャイムが鳴った。田舎あるある。

結局6時にテントから這い出て、昨日の食べ残しパンと温めたレトルトのスープ、コーヒーで朝食を済ませ、だらだら撤収準備をし8時半にはキャンプ場を後にした。

 

帰り道、朝日に鮮やかに浮かび上がった紅葉が見事だった。秋よき。ドライブ楽しい。

東京に生まれて、東京で育って、東京で免許を取った元ペーパードライバーの現東北民だが、ちょっと車を走らせるとそこかしこに自然があって、そこでのんびりした時間が過ごせることはしみじみ幸せだなと感じている(そして餅が美味い)。

4回目のキャンプを終え、私はLV.5になった*1。さて次のキャンプはどこに行こう。

*1:キャンプ1回につきレベルが一つ上がる設定です